発電機 整備
発電機の整備の模様をご紹介します。
これは去る3.11の震災の直後に、電源を失った気仙沼の電装会社にお使いいただく為に、修理をしたエンジンウェルダーです。
長い間放置したままとなっておりかなり年季が入っていましたが、非常時に活躍することとなりました。
エンジンウェルダーは溶接機付の発電機です。現場でアーク溶接を行うことに特化しており、溶接機をオフにすれば100V/60Hzの電圧を作り出すことが可能です。
調べてみるとこのエンジンウェルダーは製造から30年以上も経過、案の定エンジンが掛かりませんでした。
エンジンに燃料が送られておらず幾つかの原因が考えられましたが、まずは燃料フィルターの掃除から始めることにしました。
清掃後、エンジンを掛けて見るも、掛かりません。
次に燃料噴射ポンプを点検、ポンプに古い燃料が固着している為に動作しないことが判明。直ちに燃料ポンプを掃除。
今度こそはとエンジンを回したところ、掛かりました。
発電機にも通電しましたが、地面に冷却オイルが漏れていた為、次はラジエターを外してさらに原因を調べると、エンジンとラジエターを留めてあるボルトが折れており、その隙間から冷却オイルが漏れていることが判明。
幸いラジエターには問題が無く、ボルトとパッキンを交換することになり早速手配しました。
数日のうちに部品が到着、①取り寄せたボルトとパッキンでラジエターの取付、②モーターの絶縁等の細かな検査、③エンジンベルト(ゴム製)の全交換、④清掃を以下、簡単にご紹介します。
まずは錆を落とす為にウォータージャケットから掃除しました。長い間倉庫に締まってあっただけあって冷却水が腐って内側が錆ついていました。
折れたボルトがねじ穴を塞いでいたのでタップを使い新たな雌ねじを作りました。
ラジエターへ冷却ファンの取り付け。
*この冷却ファンはクランク軸の回転によってファンベルトを介して回転しています
燃料タンクをボルトで固定してカバーを取り付け、これで外観は分解前に、外装にこびりついた油汚れは全て落としました。
ファンを回してラジエターを冷やすベルト、大きなフライホールを回すメインのベルトを巻きました。
最後に燃料を入れてエンジンを掛けて試運転を行い最終チェックも完璧に終え、気仙沼に向け送り出しました。